以下は、形式的で簡潔な遺言のサンプルです。日本の法律に基づく「自筆証書遺言」の形式を参考にしています。

📝 遺言書(自筆証書遺言)サンプル

令和〇年〇月〇日

私は、下記の通り遺言を残します。

  1. 私の全財産は、長男〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させます。
  2. 私の死後、〇〇寺にて葬儀を行い、納骨をお願いします。
  3. 私の遺品の整理は、長女〇〇〇〇に一任します。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡ポイント:

  • 自筆証書遺言は全文を本人が手書きする必要があります。
  • 日付・署名・押印が必須です。
  • 財産の分け方や希望は明確に書きましょう。

以下は、遺言者が財産の分割方法を第三者に委託する内容を含む「自筆証書遺言」のサンプルです。日本の民法第908条の「遺言による分割方法の指定または委託」に基づいています。

📝 遺言書(自筆証書遺言)サンプル:分割方法の指定を委託する場合

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私の死亡時に有する一切の財産(不動産、預貯金、動産等)は、相続人である長男〇〇〇〇、長女〇〇〇〇、次男〇〇〇〇の3名に相続させます。
  2. 上記財産の具体的な分割方法については、私が信頼する〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に一任します。
  3. 〇〇〇〇は、相続人間の公平を考慮し、適切な方法で財産を分割してください。
  4. 相続人は、〇〇〇〇の決定に従うものとします。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足ポイント:

  • 委託する人物は信頼できる第三者(親族、弁護士など)を選びましょう。
  • 遺言執行者としての指定も併せて記載すると、よりスムーズです。
  • 公正証書遺言にすることで、法的効力が強まり、トラブル防止にもなります。

遺言に「説教」を入れる場合、遺言者の人生観や価値観を伝えたり、家族への戒めや励ましを込めることができます。以下は、説教的な要素を含んだ遺言書のサンプルです。

📝 遺言書(説教入り自筆証書遺言サンプル)

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私の財産は、長男〇〇〇〇、長女〇〇〇〇にそれぞれ半分ずつ相続させます。
  2. ただし、金銭よりも「人としての誠実さ」「家族への思いやり」を大切にしてほしい。財産を巡って争うようなことがあれば、それは私の本意ではない。
  3. 私は一生懸命働き、家族のために生きてきました。その努力が無駄にならぬよう、皆が助け合い、感謝の心を忘れずに生きてほしい。
  4. 親の言葉を軽んじる者は、いずれ自分の子にも軽んじられる。どうか、私の言葉を心に留めてほしい。
  5. 最後に、人生は短い。怒りや憎しみに時間を使うより、笑顔と優しさを大切にして生きてください。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足:

  • 説教部分は「付言事項」として記載されることが多く、法的拘束力はありませんが、心情的には非常に重要です。
  • 相続人の心に残るよう、率直かつ誠実な言葉で書くのがポイントです。

遺言書を取り消したり、書き直したり、訂正・変更する場合は、新たな遺言書を作成するのが最も確実な方法です。以下に、目的別のサンプルをいくつかご紹介します。

🧾 ① 遺言書の取消しを明記するサンプル

令和〇年〇月〇日

私は、令和〇年〇月〇日に作成した遺言書を、ここに正式に取り消します。

今後、相続に関する事項は本遺言書に従うものとします。

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

✍️ ② 遺言書の書き直し(新しい内容を記載)

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 令和〇年〇月〇日に作成した遺言書はすべて無効とし、本遺言書を正式なものとします。
  2. 私の財産は、長男〇〇〇〇に全額相続させます。
  3. 遺言執行者として、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を指定します。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

🖋️ ③ 自筆証書遺言の訂正・変更の方法(例)

訂正する場合は、訂正箇所に二重線を引き、訂正印を押し、欄外に訂正内容を記載する必要があります。

例:

  • 「長男〇〇〇〇に全財産を相続させる」と書いたが、「長女〇〇〇〇」に変更したい場合:

本文: 「長男〇〇〇〇」←二重線で消す 欄外: 「上記『長男〇〇〇〇』を『長女〇〇〇〇』に訂正する」 訂正印:㊞

💡注意点:

  • 遺言書の訂正は形式が厳格です。誤ると無効になる可能性があります。
  • 書き直す場合は、古い遺言書を「無効」と明記した新しい遺言書を作成するのが安全です。
  • 公正証書遺言にすることで、訂正や取消しの手続きがより確実になります。

遺言で「遺産の分割を禁止する」旨を指定することは、相続開始から5年以内の期間に限って可能です(民法第908条)。これは、遺産の分割によって不利益が生じることを防ぐために、遺言者が一定期間、分割を禁じることができる制度です。

以下はその指定を含む自筆証書遺言のサンプルです。

📝 遺言書(遺産分割禁止の指定を含む)

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私の死亡時に有する一切の財産(不動産、預貯金、動産等)は、相続人である長男〇〇〇〇、長女〇〇〇〇、次男〇〇〇〇の3名に相続させます。
  2. 上記の財産については、私の死亡の日から5年間は分割を禁止します。
  3. この期間中、相続人は財産を共有のまま管理し、処分等は相続人全員の合意によって行うこととします。
  4. 分割禁止の理由は、財産の価値保全および相続人間の協調を促すためです。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足ポイント:

  • 分割禁止の期間は「相続開始から5年以内」に限られます。
  • 禁止の理由を明記すると、相続人の理解を得やすくなります。
  • 分割禁止中の管理方法(誰が管理するか、収益の分配など)も記載しておくと安心です。

以下に、特定遺贈包括遺贈をそれぞれ指定する遺言書のサンプルをご紹介します。

🧾 特定遺贈の遺言書サンプル

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私が所有する倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号の土地および建物(登記簿番号〇〇〇〇)を、長男〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に遺贈します。
  2. 私が預けている〇〇銀行〇〇支店の普通預金口座(口座番号〇〇〇〇)にある金銭のうち、300万円を、友人〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に遺贈します。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

🧾 包括遺贈の遺言書サンプル

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私が死亡した時点で有する一切の財産(不動産、預貯金、動産、債権等)を、長女〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に2分の1の割合で包括遺贈します。
  2. 残りの2分の1の割合は、長男〇〇〇〇に包括遺贈します。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足解説

用語意味
                 特定遺贈特定の財産(例:土地、預金、宝石など)を指定して遺贈すること。
                 包括遺贈財産全体または一定割合(例:2分の1)を包括的に遺贈すること。
                 遺贈と相続の違い遺贈は「相続人以外」にも可能。相続は法定相続人に対して発生する権利。

相続人の廃除やその取消しは、家庭裁判所の審判が必要な法的手続きです。遺言書で意思を示すことはできますが、効力を持たせるには遺言執行者が家庭裁判所に申立てを行う必要があります。

以下に、遺言書で「廃除の意思表示」および「廃除の取消し」を記載するサンプルをご紹介します。

❌ 相続人の廃除を指定する遺言書サンプル

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 長男〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を、私の相続人から廃除します。
  2. 廃除の理由は、私に対する度重なる暴言・暴力および生活費の不当な要求など、著しい非行があったためです。
  3. 本遺言の執行者として、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を指定し、家庭裁判所に対して廃除の申立てを行うことを委任します。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

✅ 相続人の廃除を取り消す遺言書サンプル

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 令和〇年〇月〇日に作成した遺言書において、長男〇〇〇〇を相続人から廃除すると記載しましたが、これを取り消します。
  2. 今後、長男〇〇〇〇は他の相続人と同様に、私の相続人として扱われることを望みます。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足ポイント

項目内容
                廃除の理由被相続人に対する虐待、重大な侮辱、著しい非行などが必要です。
                廃除の方法遺言または生前に家庭裁判所へ申立て。遺言の場合は執行者が申立てます。
                廃除の取消し遺言で意思表示すれば可能。家庭裁判所への申立ては不要です。

遺言書で「後見人」および「後見監督人」を指定する場合の自筆証書遺言のサンプルです。これは、未成年の子や判断能力が不十分な配偶者などに対して、将来の保護を目的として後見制度を活用する際に使われます。

📝 遺言書(後見人・後見監督人の指定)

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私の死亡後、未成年の子〇〇〇〇(平成〇年〇月〇日生)について、民法第839条に基づき、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を後見人に指定します。
  2. また、後見人の職務を監督するため、民法第848条に基づき、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を後見監督人に指定します。
  3. 後見人および後見監督人は、〇〇〇〇の利益を最優先に考え、誠実に職務を遂行してください。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足ポイント

項目内容
                後見人の指定未成年者や判断能力が不十分な者の保護者として、財産管理や身上監護を行う人
                後見監督人の指定後見人の職務を監督し、不正や怠慢を防ぐ役割を担う第三者
                指定の効力遺言による指定は、家庭裁判所の審判によって効力が発生します

遺言によって子供を認知することは、民法第781条第2項に基づき認められています。認知とは、婚姻外で生まれた子を法律上の親子関係として認める行為で、遺言による認知は、遺言執行者が家庭裁判所に届け出ることで効力を持ちます。

以下に、自筆証書遺言で認知を行う場合のサンプルをご紹介します。

📝 遺言書(子の認知をする場合)

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私は、〇〇〇〇(平成〇年〇月〇日生、母〇〇〇〇)を、私の子として認知します。
  2. 本認知は、民法第781条第2項に基づき、遺言によって行うものです。
  3. 遺言執行者として、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を指定し、家庭裁判所への認知届出を委任します。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足ポイント

項目内容
                 認知の対象婚姻外で生まれた子(胎児も含む)
                 認知の効力遺言執行者が家庭裁判所に届け出ることで発生
                 認知の効果法的な親子関係が成立し、相続権が認められる
                 認知の取消し原則として認知後の取消しはできません(例外:詐欺・強迫など)

特別受益とは、相続人が生前に受けた贈与や婚姻・養子縁組のための資金援助などを指し、通常は相続分の計算時に控除されます(民法第903条)。しかし、遺言によって「控除しない」旨を明示することで、特別受益を考慮せずに相続分を決定することが可能です。

以下はその指定を含む自筆証書遺言のサンプルです。

📝 遺言書(特別受益分を控除しない指定)

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私の死亡時に有する一切の財産は、長男〇〇〇〇、長女〇〇〇〇、次男〇〇〇〇の3名に、法定相続分に従って分配するものとします。
  2. 長男〇〇〇〇が私から生前に受けた住宅取得資金援助(令和〇年〇月〇日、金〇〇〇万円)は、特別受益として相続分から控除しないものとします。
  3. 同様に、長女〇〇〇〇が受けた結婚資金援助(令和〇年〇月〇日、金〇〇〇万円)についても、控除しないものとします。
  4. 相続人は、上記の内容を尊重し、争うことなく円満に相続手続きを進めることを望みます。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足ポイント

項目内容
                 特別受益の例住宅資金援助、結婚資金、事業資金など
                 控除しない指定の効果相続分の計算時に、生前贈与を差し引かずに分配される
                 指定の方法遺言書に明確に「控除しない」と記載する必要がある
                 相続人間のトラブル防止指定理由や付言事項を添えると、感情的な対立を避けやすくなる

遺言によって「遺贈分を相続分から控除しない」旨を指定することは、民法第902条に基づいて可能です。これにより、遺贈を受けた相続人が相続分とは別に遺贈を受け取ることができ、結果的に他の相続人より多くの財産を取得することになります。

以下はその指定を含む自筆証書遺言のサンプルです。

📝 遺言書(遺贈分を相続分から控除しない指定)

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私の死亡時に有する一切の財産は、長男〇〇〇〇、長女〇〇〇〇、次男〇〇〇〇の3名に、法定相続分に従って分配するものとします。
  2. ただし、長男〇〇〇〇に対して遺贈する〇〇銀行〇〇支店の定期預金(口座番号〇〇〇〇、金額〇〇〇万円)は、相続分から控除しないものとします。
  3. よって、長男〇〇〇〇は、上記遺贈分とは別に、法定相続分に基づく財産を取得するものとします。
  4. 相続人は、上記の内容を尊重し、争うことなく円満に相続手続きを進めることを望みます。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足ポイント

項目内容
               控除しない指定の効果遺贈分が相続分に加算され、受遺者の取得額が増える
               指定の方法遺言書に「控除しない」旨を明確に記載する必要がある
               他の相続人への配慮不公平感を避けるため、理由や付言事項を添えるとトラブル防止に有効

遺言で遺贈を指定する際、受遺者が遺言者より先に死亡した場合や同時に死亡した場合に備えて、代替受遺者(予備的受遺者)を指定しておくことができます。これは、遺贈の空白や無効を防ぎ、遺言者の意思を確実に反映させるために有効です。

以下はその内容を含む自筆証書遺言のサンプルです。

📝 遺言書(受遺者の死亡に備えた予備的遺贈の指定)

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私が所有する倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号の土地および建物(登記簿番号〇〇〇〇)を、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に遺贈します。
  2. ただし、〇〇〇〇が私の死亡以前に死亡している場合、または私と同時に死亡したとみなされる場合には、この遺贈は〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に対して行うものとします。
  3. 上記の遺贈は、民法第994条に基づく予備的遺贈として指定するものです。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足ポイント

項目内容
                予備的遺贈受遺者が先に死亡した場合に備えて、代わりの受遺者を指定すること
                法的根拠民法第994条「予備的遺贈」
                同時死亡の扱い民法第32条の2により「同時死亡と推定される場合」は遺贈が無効になるため、予備的指定が有効
                遺言の安定性予備的遺贈を記載することで、遺言の空白や争いを防ぐことができる

13.遺言執行者を指定する場合

遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う人で、遺言の信頼性と実効性を高める重要な役割を担います。以下は、自筆証書遺言で遺言執行者を指定する場合のサンプルです。

📝 遺言書(遺言執行者の指定)

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私の死亡後における遺言の内容の実現および相続手続きの一切について、民法第1006条に基づき、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を遺言執行者として指定します。
  2. 遺言執行者は、相続財産の管理、遺贈の履行、相続人の廃除・認知の申立て等、本遺言に記載された事項の執行に必要な一切の権限を有するものとします。
  3. 相続人は、遺言執行者の指示に従い、円滑な手続きの遂行に協力することを望みます。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足ポイント

項目内容
               遺言執行者の役割遺言内容の実現(財産分配、廃除申立て、認知届出など)を行う法的代理人
               指定の方法遺言書に明記することで効力が発生(家庭裁判所の選任は不要)
               適任者の選定信頼できる親族、弁護士、司法書士、行政書士などが望ましい

14.遺言を公正証書にする場合

公正証書遺言は、公証人が作成する正式な遺言書で、偽造や紛失の心配がなく、家庭裁判所の検認も不要なため、最も安全性の高い遺言形式です。以下は、公正証書遺言の内容例です。

📝 公正証書遺言のサンプル(内容例)

令和〇年〇月〇日 岡山県倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)

私は、次のとおり遺言します。

第1条(相続分の指定) 私の死亡時に有する一切の財産は、長男〇〇〇〇に2分の1、長女〇〇〇〇に2分の1の割合で相続させる。

第2条(特定遺贈) 私が所有する倉敷市〇〇町の土地(登記簿番号〇〇〇〇)および建物は、長男〇〇〇〇に遺贈する。

第3条(遺言執行者の指定) 本遺言の内容を実現するため、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を遺言執行者として指定する。

第4条(付言事項) 相続人は互いに協力し、争うことなく円満に相続手続きを進めることを望みます。

この遺言は、遺言者〇〇〇〇の申出により、岡山県〇〇公証役場において、公証人〇〇〇〇が作成したものである。

令和〇年〇月〇日 〇〇公証役場 公証人:〇〇〇〇(署名・捺印)

💡公正証書遺言の作成手順

  1. 事前準備:財産目録・相続人情報・希望内容を整理
  2. 公証人との打ち合わせ:公証役場または出張で対応
  3. 証人2名の立会い:成年で利害関係のない者(親族不可)
  4. 本人の口述に基づき作成:公証人が内容を読み上げ、本人が確認
  5. 署名・捺印:本人・証人・公証人が署名し、完成

15.商店、会社、農家を継がせる場合

商店・会社・農家などの事業を継がせる場合、遺言書には「事業承継」の意思を明確に記載することが重要です。以下に、それぞれのケースに対応した遺言書のサンプルをご紹介します。

🏪 商店を継がせる場合の遺言書サンプル

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私が経営する〇〇商店(所在地:倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号)の営業権、店舗、在庫、什器備品、取引先との契約関係等、すべての事業資産を、長男〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に承継させます。
  2. 〇〇商店の屋号および営業許可も、長男〇〇〇〇が引き継ぐものとします。
  3. 他の相続人は、事業承継に関して異議を唱えず、協力することを望みます。

以上 倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

🏢 会社を継がせる場合の遺言書サンプル

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私が代表取締役を務める株式会社〇〇〇〇の保有株式(〇〇株)すべてを、長女〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させます。
  2. 株式の相続に伴い、会社の経営権および代表権も長女〇〇〇〇が引き継ぐことを希望します。
  3. 他の相続人は、会社の安定的な運営のため、長女〇〇〇〇の経営に協力することを望みます。

以上 倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

🌾 農家を継がせる場合の遺言書サンプル

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私が所有する農地(倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号、地番〇〇〇〇)および農業機械、倉庫、作物の在庫等、農業に関する一切の資産を、次男〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させます。
  2. 次男〇〇〇〇は、私の農業を継承し、地域との関係を大切にしながら営農を続けてください。
  3. 他の相続人は、農地の分割や売却を求めず、円満な事業承継に協力することを望みます。

以上 倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足ポイント

項目内容
              事業承継の明記営業権・株式・農地などを誰に継がせるかを明確に記載
              他の相続人への配慮争いを防ぐため「協力を望む」などの付言事項を添えると効果的
              法的手続き株式や農地の名義変更には別途登記・届出が必要

16.相続人が誰もいない場合

相続人が誰もいない場合(法定相続人が存在しない、または全員が相続放棄した場合)、遺産は最終的に国庫に帰属します(民法第959条)。これを防ぐためには、遺言によって遺贈先(受遺者)を指定することが重要です。

以下は、相続人がいないことを前提とした遺言書のサンプルです。

📝 遺言書(相続人がいない場合の遺贈指定)

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私には、現在、法定相続人が存在しません。
  2. 私の死亡時に有する一切の財産(不動産、預貯金、動産等)は、私の親友である〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に遺贈します。
  3. 〇〇〇〇が私の死亡以前に死亡している場合、または同時に死亡したとみなされる場合には、〇〇〇〇福祉財団に遺贈するものとします。
  4. 本遺言の内容を実現するため、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を遺言執行者として指定します。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

💡補足ポイント

項目内容
                 相続人不在法定相続人がいない場合、遺産は国庫に帰属(民法第959条)
                 遺贈の指定個人・法人・団体など、誰にでも遺贈可能
                 予備的遺贈受遺者が先に死亡した場合に備えて、代替の受遺者を指定すると安心
                 遺言執行者遺言の実現を担う人。信頼できる第三者を指定するのが望ましい

17.秘密証書遺言・一般危急時遺言を作成する場合

秘密証書遺言と一般危急時遺言は、特殊な状況下で作成される遺言形式であり、法的要件を満たすことが重要です。以下に、それぞれのサンプルをご紹介します。

🕵️‍♂️ 秘密証書遺言のサンプル(内容例)

秘密証書遺言は、遺言の内容を秘密にしたまま、公証人と証人の前で封印された遺言書を提出する方式です。以下は、遺言書の本文の例です(封筒に入れて封印し、公証役場で手続きします)。

令和〇年〇月〇日

私は、次のとおり遺言します。

  1. 私の死亡時に有するすべての財産は、長女〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させます。
  2. 長男〇〇〇〇には、すでに生前に住宅資金援助を行っているため、相続分はありません。
  3. 本遺言の内容は、私の死後に開封されるまで秘密とします。

以上

倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号 遺言者:〇〇〇〇(署名) 印鑑:㊞

※この遺言書は封筒に入れて封印し、証人2名とともに公証人に提出して「秘密証書遺言」として認証を受けます。

🚨 一般危急時遺言のサンプル(口頭または筆記)

一般危急時遺言は、死亡の危険が迫っている状況で、通常の方式による遺言ができない場合に認められる緊急的な遺言です。証人3人以上の立会いが必要で、後日家庭裁判所の確認を受けなければ効力を持ちません。

令和〇年〇月〇日 場所:倉敷市〇〇病院 病室〇〇号室

私は、病状が急変し、死の危険が迫っていることを認識しています。ここに、次のとおり遺言します。

  1. 私の預貯金および不動産はすべて、妻〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)に相続させます。
  2. 長男〇〇〇〇には、私の所有する車両(〇〇ナンバー)を遺贈します。
  3. 本遺言は、私の意思に基づき、証人〇〇〇〇、〇〇〇〇、〇〇〇〇の立会いのもとで口頭にて述べたものです。

遺言者:〇〇〇〇(署名または口述) 証人:〇〇〇〇(署名) 証人:〇〇〇〇(署名) 証人:〇〇〇〇(署名)

💡補足ポイント

遺言形式要件・特徴
                秘密証書遺言自筆または代筆で作成し、封印して公証人と証人2名の前で提出。内容は秘密。
                一般危急時遺言死亡の危険が迫る状況で、証人3人以上の前で口頭または筆記で作成。家庭裁判所の確認が必要。
                有効期限危急時遺言は、作成から20日以内に家庭裁判所へ確認申立てがなければ無効。

18.死因贈与契約書の活用

死因贈与契約は、贈与者の死亡を条件として財産を譲渡する契約であり、遺言とは異なる法的性質を持ちます。これを文書化した「死因贈与契約書」は、相続対策・事業承継・財産分配の明確化などに活用できます。

📘 死因贈与契約書の活用ポイント

✅ 1. 遺言よりも確実な契約効力

  • 遺言は一方的な意思表示ですが、死因贈与契約は双方の合意に基づく契約
  • 原則として、契約後に贈与者が勝手に撤回できません(ただし解除条項を設けることは可能)。

✅ 2. 相続人以外への財産移転が可能

  • 相続人でない人(例:内縁の配偶者、友人、介護者など)にも財産を渡せる。
  • 遺言よりも争われにくく、生前の意思確認が明確

✅ 3. 登記や名義変更がスムーズ

  • 不動産などを死因贈与契約で譲渡する場合、契約書があることで登記手続きが円滑
  • 登記原因は「死因贈与」で記載されます。

✅ 4. 相続税の対象になる

  • 死因贈与によって取得した財産は、相続税の課税対象になります(贈与税ではない)。
  • 相続税の申告・納税が必要なので、税理士への相談が推奨されます。

📝 死因贈与契約書のサンプル(抜粋)

令和〇年〇月〇日 贈与者:〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生) 受贈者:〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)

第1条(目的) 贈与者は、自己の死亡を条件として、下記の財産を受贈者に贈与することを約する。

第2条(贈与財産) 倉敷市〇〇町〇丁目〇番〇号の土地および建物(登記簿番号〇〇〇〇)

第3条(効力発生) 本契約は、贈与者の死亡の時点で効力を生じる。

第4条(解除) 贈与者は、受贈者が重大な背信行為を行った場合、本契約を解除できる。

第5条(その他) 本契約に関する紛争は、岡山地方裁判所を第一審の専属管轄裁判所とする。

贈与者署名:〇〇〇〇 ㊞ 受贈者署名:〇〇〇〇 ㊞

💡 実務上の注意点

項目内容
                書面化口頭ではなく、必ず契約書として残すことが望ましい
                公正証書化公証人による公正証書にすると、証拠力が高まる
                登記不動産の場合、死後に登記手続きが必要
                税務相続税の申告対象となるため、税理士と連携を

19.寄与分や特別受益の活用

寄与分や特別受益は、相続人間の公平性を調整するための重要な制度です。これらをうまく活用することで、貢献した人が報われるようにしたり、過去の援助を考慮してバランスを取ることができます。以下に、実務での活用方法をわかりやすくまとめました。

⚖️ 寄与分の活用

✅ 寄与分とは?

被相続人の財産の維持・増加に特別な貢献をした相続人に、法定相続分以上の取り分を認める制度です(民法第904条の2)。

💡 活用できるケース

  • 長男が10年間介護を続けた
  • 娘が事業資金を援助し、店舗経営を支えた
  • 相続人が無償で農作業を手伝い、農地の価値を維持した

📝 遺言での記載例

text

長男〇〇〇〇は、私の介護に長年尽力してくれたため、寄与分として法定相続分に加え、現金〇〇〇万円を取得させる。

🎁 特別受益の活用

✅ 特別受益とは?

相続人が生前に受けた贈与(住宅資金、結婚資金など)を、相続分の計算時に控除する制度です(民法第903条)。

💡 活用できるケース

  • 長女が結婚時に500万円の援助を受けた
  • 次男が起業資金として1000万円を受けた
  • 孫の教育費を一部負担していた

📝 遺言での記載例

text

長女〇〇〇〇が受けた結婚資金援助(令和〇年〇月〇日、金〇〇〇万円)は、特別受益として相続分から控除する。

🚫 控除しない指定も可能

遺言で「控除しない」旨を明記すれば、特別受益を相続分から差し引かずに分配できます(民法第903条但書)。

例:

text

長男が受けた住宅資金援助については、特別受益として控除しないものとする。

🛠 実務上のポイント

項目内容
               証拠の確保領収書・契約書・日記・写真などで寄与や贈与の事実を裏付ける
               遺言で明記寄与分や特別受益の扱いは、遺言で明確に記載することで争いを防げる
               家族への説明生前に家族へ説明しておくと、納得感が高まりトラブル予防になる
               専門家の活用弁護士・税理士・司法書士などに相談すると、法的・税務的にも安心

遺言が行方不明になった場合、その遺言の効力を証明できるかどうかが大きなポイントになります。状況によって対応が異なるため、以下にケース別の対処法をまとめました。

🕵️‍♂️ 遺言が行方不明になったときの対応

✅ 1. 自筆証書遺言が見つからない場合

  • 原本がなければ原則無効です。
  • コピーや写真があっても、家庭裁判所の検認対象にはならず、法的効力は認められにくい
  • 遺言者の筆跡や作成状況を証明できれば、裁判で効力が認められる可能性もありますが、非常に困難です。

✅ 2. 公正証書遺言が見つからない場合

  • 公証役場に原本が保管されているため問題なし
  • 遺言者の死亡後、相続人が公証役場に請求すれば、謄本を取得できます。
  • 公証人連合会の「遺言検索システム」で確認可能(遺言者の死亡後に限る)。

✅ 3. 秘密証書遺言が行方不明の場合

  • 封印された原本がなければ無効
  • 公証人が「遺言があった事実」を証明できても、内容が不明なら執行できません。

🔍 行方不明を防ぐための対策

方法内容
                 公正証書遺言公証役場に原本保管。紛失・改ざんの心配なし
                 自筆証書遺言の法務局保管制度法務局で原本を預かってもらえる制度(検認不要)
                 複数の保管場所金庫・信頼できる家族・弁護士・信託会社などに分散保管
                 作成記録を残す作成日・証人・関与した専門家の記録を残しておく

📝 補足:遺言が見つからないとどうなる?

  • 遺言がなければ法定相続分で分配されます。
  • 遺言があったと主張しても、証拠がなければ認められません
  • 遺言の存在を知っている人がいれば、証言や記録をもとに裁判で争うことは可能ですが、現実的には難しいです。

なくした遺言書を発見した場合は、その遺言書が有効かどうかを確認し、速やかに適切な手続きを取ることが重要です。以下に、遺言の種類別に対応方法をまとめました。

🗂 遺言書の種類別:発見後の対応

✅ 1. 自筆証書遺言の場合

対応手順:

  1. 家庭裁判所へ検認申立て 遺言者が亡くなった後に発見された場合、家庭裁判所で「検認」という手続きが必要です(民法第1004条)。 → 検認前に開封すると過料(罰金)対象になるので注意!
  2. 検認後に相続手続きへ 検認が済めば、遺言の内容に従って相続登記や預金の解約などを進めます。
  3. 内容の確認 遺言が最新のものか、他に遺言が存在しないかを確認。複数ある場合は日付が最も新しいものが有効です。

✅ 2. 公正証書遺言の場合

  • 公証役場に原本が保管されているため、発見された遺言書が謄本や控えであれば、内容確認の補助資料として活用できます。
  • 相続人が公証役場に請求すれば、正式な謄本を取得できます。
  • 検認は不要なので、すぐに相続手続きに進めます。

✅ 3. 秘密証書遺言の場合

  • 発見された遺言書が封印されたままであれば、家庭裁判所で検認を受ける必要があります。
  • 開封されていた場合、偽造や改ざんの疑いが生じる可能性があるため、慎重な対応が必要です。

🔍 発見された遺言書が有効か確認するポイント

チェック項目内容
               作成年月日他の遺言書より新しいか(最新のものが有効)
               署名・押印自筆証書遺言の場合、本人の署名と押印があるか
               内容の整合性法的に無効な条項が含まれていないか
               保管状況改ざんや破損の形跡がないか

🛡 発見後の注意点

  • 勝手に開封しない(自筆・秘密証書遺言の場合)
  • 相続人全員に速やかに知らせる
  • 専門家に相談すると安心

遺言書が偽造・変造されていた場合、それは重大な法的問題であり、相続の公平性や遺言者の意思を損なう行為です。以下に、発覚した際の対応と注意点をわかりやすくまとめます。

🚨 偽造・変造された遺言書とは?

  • 偽造:遺言者以外の者が勝手に作成・署名したもの
  • 変造:本物の遺言書の内容を改ざん・書き換えたもの

どちらも民法上無効であり、刑法上も私文書偽造罪・有印私文書偽造罪などに該当する可能性があります。

🛠 発覚したときの対応手順

1. 家庭裁判所に遺言無効確認の申立て

  • 相続人や利害関係人は、遺言が偽造・変造された疑いがある場合、遺言無効確認の訴えを家庭裁判所に申し立てることができます。

2. 証拠の確保

  • 筆跡鑑定、作成状況の証言、原本の保管状況などを調査。
  • 遺言者の筆跡と異なる場合は、筆跡鑑定書が有力な証拠になります。

3. 警察への相談・告発も検討

  • 偽造・変造が故意に行われた場合、刑事事件として告発することも可能です。
  • 特に財産目的で改ざんされた場合、詐欺や文書偽造罪に問われる可能性があります。

⚖️ 実務上の注意点

項目内容
                自筆証書遺言偽造・変造のリスクが高いため、保管場所や筆跡の確認が重要
                公正証書遺言公証人が関与するため、偽造・変造のリスクが極めて低い
                保管方法金庫・信託会社・法務局など、信頼できる場所で保管するのが望ましい
                複数の遺言最新の遺言が有効。古い遺言との整合性も確認する必要あり

🧭 予防策としてできること

  • 公正証書遺言を選ぶ:公証人が作成し、原本を公証役場で保管するため安全性が高い。
  • 法務局の保管制度を利用する:自筆証書遺言でも、法務局に預ければ検認不要で改ざんリスクを低減。
  • 作成時の録音・録画:遺言者が自らの意思で作成したことを記録しておくと、後の証拠になる。

遺言に「瑕疵(かし)」があるとは、法的に有効と認められない欠陥や不備がある状態を指します。瑕疵の内容によっては、遺言が一部または全部「無効」と判断されることがあります。以下に、主な瑕疵の種類と対応策をわかりやすくまとめました。

⚠️ 遺言に生じる主な瑕疵とその影響

瑕疵の種類内容遺言の効力
方式違反自筆証書遺言で署名・押印がない、日付がない、公正証書遺言で証人が不適格など無効になる可能性が高い
意思能力の欠如認知症などで判断能力がなかった時期に作成された無効(裁判で争われることが多い)
強迫・詐欺による作成他人に脅されて書かされた、騙されて内容を誤認した無効(民法第965条)
内容が不明確財産の特定が曖昧(例:「倉敷の土地」だけで地番不明)該当部分が無効になる可能性あり
既に処分済みの財産遺言で指定した財産が遺言者の死前に売却されていた該当部分は実行不能(無効)
相続人の欠格事由相続人が遺言者を殺害・詐欺などした場合その相続人は相続権を失う(民法第891条)

🛠 瑕疵が見つかったときの対応

✅ 1. 家庭裁判所で「遺言無効確認の訴え」を起こす

  • 利害関係人(相続人など)は、遺言に瑕疵があると判断した場合、遺言の無効確認訴訟を提起できます。

✅ 2. 証拠を集める

  • 筆跡鑑定、医師の診断書、作成時の録音・録画、証人の証言などが有力な証拠になります。

✅ 3. 有効な遺言が他にあるか確認する

  • 複数の遺言が存在する場合、日付が最も新しいものが有効です(民法第1023条)。

✅ 瑕疵を防ぐための予防策

  • 公正証書遺言を選ぶ:公証人が方式・意思能力を確認するため、瑕疵が生じにくい。
  • 法務局の保管制度を利用する:自筆証書遺言でも、法務局に預ければ検認不要で安全。
  • 専門家に相談する:弁護士・司法書士・行政書士の関与で、形式・内容のチェックが可能。
  • 作成時の記録を残す:録音・録画・診断書などで意思能力や作成状況を補強。

遺言執行者を選ぶ理由は、遺言の内容を確実に実現するための「責任者」を明確にすることにあります。遺言は書くだけでは完了せず、実際に財産を分けたり名義変更をしたりする「執行」が必要です。その役割を担うのが遺言執行者です。

🎯 遺言執行者を選ぶ目的とメリット

✅ 1. 遺言の内容を確実に実行できる

  • 相続人同士で意見が分かれても、執行者が中立的に手続きを進められる。
  • 財産の分配、遺贈、名義変更、負債の整理などをスムーズに処理。

✅ 2. 相続トラブルを防げる

  • 相続人の間で「誰が手続きをするか」「誰が主導権を持つか」で揉めるのを防止。
  • 執行者がいれば、相続人の同意がなくても単独で手続きが可能(民法第1012条)。

✅ 3. 特定の希望を守りやすい

  • 事業承継、寄付、ペットの世話など、相続人以外への配慮も確実に実行できる。
  • 遺言者の「想い」を形にする役割を担う。

✅ 4. 専門家を選べば安心

  • 弁護士・司法書士・行政書士などを指定すれば、法的・実務的に安心して任せられる。
  • 相続税申告や登記なども一括して対応可能。

📝 遺言書への記載例

text

本遺言の内容を実現するため、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を遺言執行者として指定する。

※複数人を指定することも可能です。

🛠 遺言執行者が行う主な業務

業務内容具体例
財産の調査・確定預金、不動産、株式などの確認
財産の分配遺言に従って相続人・受遺者に分配
名義変更不動産登記、車両、口座などの変更手続き
遺贈の実行相続人以外への財産移転
相続税の申告支援税理士と連携して申告・納税

遺言執行者を選ぶことで、遺言が「絵に描いた餅」にならず、実際に実現される意思表示になります。

遺言執行者を選ぶ理由は、遺言の内容を確実に実現するための「責任者」を明確にすることにあります。遺言は書くだけでは完了せず、実際に財産を分けたり名義変更をしたりする「執行」が必要です。その役割を担うのが遺言執行者です。

🎯 遺言執行者を選ぶ目的とメリット

✅ 1. 遺言の内容を確実に実行できる

  • 相続人同士で意見が分かれても、執行者が中立的に手続きを進められる。
  • 財産の分配、遺贈、名義変更、負債の整理などをスムーズに処理。

✅ 2. 相続トラブルを防げる

  • 相続人の間で「誰が手続きをするか」「誰が主導権を持つか」で揉めるのを防止。
  • 執行者がいれば、相続人の同意がなくても単独で手続きが可能(民法第1012条)。

✅ 3. 特定の希望を守りやすい

  • 事業承継、寄付、ペットの世話など、相続人以外への配慮も確実に実行できる。
  • 遺言者の「想い」を形にする役割を担う。

✅ 4. 専門家を選べば安心

  • 弁護士・司法書士などを指定すれば、法的・実務的に安心して任せられる。
  • 相続税申告や登記なども一括して対応可能。

📝 遺言書への記載例

text

本遺言の内容を実現するため、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を遺言執行者として指定する。

※複数人を指定することも可能です。

🛠 遺言執行者が行う主な業務

業務内容具体例
財産の調査・確定預金、不動産、株式などの確認
財産の分配遺言に従って相続人・受遺者に分配
名義変更不動産登記、車両、口座などの変更手続き
遺贈の実行相続人以外への財産移転
相続税の申告支援税理士と連携して申告・納税

遺言執行者を選ぶことで、遺言が「絵に描いた餅」にならず、実際に実現される意思表示になります。誰に任せるか、どんな内容を託すか、もしご希望があれば一緒に考えてみましょう。

遺言執行者の職務と選び方

遺言執行者は、遺言の内容を実際に実行する責任者です。遺言があっても、それを現実の手続きに落とし込む人がいなければ、財産の分配や名義変更は進みません。ここでは、遺言執行者の具体的な職務と、誰を選ぶべきかのポイントをわかりやすく整理します。

🛠 遺言執行者の主な職務

職務内容具体的な業務
財産の調査・確定預貯金、不動産、株式、動産などの確認と一覧作成
財産の分配遺言に従って相続人や受遺者に財産を分ける
名義変更不動産登記、車両登録、口座名義などの変更手続き
遺贈の実行相続人以外への財産移転(例:友人、団体など)
相続税の申告支援税理士と連携して申告・納税を行う
負債の整理遺言に基づき債務の支払いを行う(必要に応じて)
相続人への通知遺言の内容を相続人に伝え、手続きの進行を管理

※民法第1012条により、遺言執行者は単独でこれらの手続きを進める権限があります。

🎯 遺言執行者の選び方

✅ 1. 信頼できる人物を選ぶ

  • 家族の中で中立的な立場の人
  • 遺言者の意思を尊重してくれる人
  • 感情的な対立を避けられる人

✅ 2. 専門家を選ぶと安心

  • 弁護士、司法書士、行政書士など
  • 相続税や登記などの専門的な手続きも一括対応可能
  • 相続人間の調整役としても機能する

✅ 3. 複数人の指定も可能

  • 共同執行者として複数人を指定することもできる
  • ただし、意思決定が複雑になる可能性があるため、役割分担を明確に

📝 遺言書への記載例

text

本遺言の内容を実現するため、〇〇〇〇(昭和〇年〇月〇日生)を遺言執行者として指定する。

※複数人の場合は「共同して遺言執行を行うものとする」と記載。

💡補足:遺言執行者がいない場合

  • 相続人全員の同意がなければ、遺言の内容を実行できないこともある
  • 特に遺贈や相続人以外への財産移転がある場合は、執行者がいないと手続きが進まない

遺言執行者は、遺言者の「最後の意思」を形にする大切な役割です。誰に任せるかは、信頼・能力・関係性を踏まえて慎重に選びましょう。

遺留分侵害が発生した場合、法定相続人の最低限の取り分(遺留分)を守るための法的手段が用意されています。遺言や贈与によって遺留分が侵害されたときは、以下のようなステップで対処できます。

⚖️ 遺留分侵害への主な対処法

✅ 1. 遺留分侵害額請求(旧:遺留分減殺請求)

  • 遺留分を侵害された相続人(遺留分権利者)は、侵害した相手に対して「遺留分侵害額請求」ができます(民法第1046条)。
  • これは、金銭での支払いを求める請求権であり、原則として物の返還ではなく「金銭請求」に一本化されています(2019年改正)。

✅ 2. 請求の期限に注意

  • 遺留分侵害を知った日から1年以内に請求しなければなりません。
  • 遺言者の死亡から10年以内でなければ請求できません(時効)。

📝 請求の流れ

ステップ内容
① 内容証明郵便で請求相手に対して遺留分侵害額の支払いを求める通知を送付
② 話し合い・交渉金額や支払い方法について協議(弁護士の関与が望ましい)
③ 調停・訴訟合意できない場合は家庭裁判所で調停→訴訟へ

💡 実務上のポイント

🔍 遺留分の計算方法

  • 法定相続人のうち、兄弟姉妹以外(配偶者・子・直系尊属)に遺留分が認められます。
  • 遺留分の割合は以下の通り:
相続人の構成遺留分の割合
子のみ法定相続分の1/2
配偶者のみ法定相続分の1/2
親のみ法定相続分の1/3

📁 証拠の確保

  • 遺言書の写し、財産目録、贈与契約書などを集めておくと有利です。
  • 弁護士に相談して、請求額の算定や交渉をサポートしてもらうのが安心です。

🛡 予防策としてできること(遺言者側)

  • 遺留分に配慮した遺言を書く(侵害しないように分配する)
  • 遺留分を侵害する場合は、理由や想いを付言事項に記載する
  • 遺留分侵害額を支払う意思を明記することで、争いを防ぎやすくなる

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